三月。市街地はどんどん暖かくなっていきますが、山の中腹〜頂上近くにあるダムの周りは暖かさがまだ遠く、山々は白い縞模様をまとっています。
まず紹介するダムは、市の名前の付いた大町ダムと、大町ダムよりさらに標高の高い場所にある七倉ダム。どちらも長野県にあります。大町ダムの龍神湖は、エメラルドグリーンの美しい湖。今も残る伝承ように、下流の市街地を守る龍が本当に住んでいるかのよう。七倉ダムは、大町ダムとは見た目が異なっています。ゴツゴツとした荒々しい岩肌は柔らかな雪に埋もれていました。
場所は変わり、群馬県沼田市の薗原ダムと平出ダム。薗原ダムの湖は春の暖かい日差しに見守られながら、ゆっくりと氷が解けていました。平出ダムは小さなダム。車一台の幅ギリギリのトンネルをくぐった先にあるので、探検隊になったような気分でダムめぐりができました。出かけた日にはひとつゲートを開けほんの少し放流をしていました。
ダムたちは、暑くなる季節まで、解けた雪を湖に貯めてゆきます。
ダムの上は広く、車も通行することができる。
水の色は、周辺の花こう岩が風化して崩れたものと川の上流から流れてくる硫黄の粒子が溶けているためらしい。この地域ならではの美しい色に出会うことができた。
大町ダムからさらに標高の高い場所にある七倉ダム。
ダムは雪の下で静かに耐えているように見えた。
歩道は雪が腰の高さほどまで積もっていて歩けなかったが、湖の氷はところどころ解けて水面を覗かせていた。春が待ち遠しく感じる。
ダムは一年を通して黙々と役目を果たしている。
下流から撮影できる位置を探すのに苦労したが結局木に隠れてしまうような位置しか見つからず。
ありふれた自然の空間と人工的な水色のゲートの組み合わせが見ていて飽きなかった。